最新の記事
カテゴリ
以前の記事
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2011年 03月 20日
(twitter更新日2011.3.21の再掲)
福島第一原発の冷却システムの復旧が視野に入ってきました。(3 月21 日当時) いまだ、予断を許しませんが、仮にこのまま、新たな放射性物質の放出が減っていくとすると、これまでに飛散した放射性物質のなかで、“セシウム(Cs)”が問題となるはずです。 飛散した放射性物質のうち、最も多いのが、放射性ヨウ素(I-131)で、次が、放射性セシウムです。ただ、I-131(ヨウ素131)は8 日毎に半分になっていきますから、3 ヶ月もすれば、ほぼゼロレベルになりますが、放射性セシウムの半減期はもっと長いので問題になります。(理由は後述) 3月21日以降、かなり微量(基準値の1%程度)ですが、東京都の水道水中に、2 種類の放射性セシウム、Cs-134、Cs-137 が検出されています(健康安全研究センター@新宿区による測定)。Cs-134 の半減期は約2 年、Cs-137 では約30年です。特に、Cs-137 は土の中などに長い間存在して、放射線を出し続けます。 ただし、その量は極めて微量です。ちなみに、放射性セシウムの半減期が30 年といっても、排尿や代謝によって体外に放出されます。その結果、内部被ばくによって人体に影響を及ぼす、実効的な半減期は100 日程度といっていいのです。 放射性物質の放射能を警戒するには、その〈量=測定値〉と〈時間=半減期〉の関係を正しく理解することが重要です。3 月21 日時点での福島第一原発敷地内での放射能は、I-131(ヨウ素131)で1リットルあたり5.94(Bq:ベクレル)となっており、Cs-137(セシウム137)1リットルあたり0.022Bq よりも大きいですね。現時点ではI-131 のほうが「放射能」は強い、と言えます。 この値から、I-131(ヨウ素131)とCs-137(セシウム137)それぞれ1リットルあたりの個数を出してみましょう。答えはI-131 が600万個、Cs-137 が3300万個となります。なんと、Cs-137(セシウム137)のほうが多いのです。 I-131(ヨウ素131)は8日で半分になります。現時点での放射能は大きいけれど、3ヶ月もあればほぼなくなります。一方、Cs-137(セシウム137)が半分になるには30 年必要です。その数もI-131(ヨウ素131)に比べて初めから5倍以上多いのです。 長期的に見れば放射能もCs-137(セシウム137)のほうが多くなります。Cs-137(セシウム137)が拡散すれば持続的な被ばくにつながることが理解できると思います。 もちろん、これはあくまで原発事故が収束することを念頭に置いてのお話です。それを前提にすればヨウ素131 の影響は「期間限定」。「今」を注意することで被害を最小限にできます。問題はセシウム137です。土壌汚染や食物などによる内部被ばくをずっと意識しなければなりません。
by teamnakagawa
| 2011-03-20 14:34
| 被ばくとは
|
ファン申請 |
||